二日酔いの朝起きた時に、吐き気や頭痛だけでなく、異常に喉が乾いていることはないでしょうか。そして、そのような時にあなたは何を飲んでいるでしょうか。

水道水を飲む人、お茶を飲む人、スポーツドリンクを飲む人、色々な人がいると思います。また、二日酔いの程度や気分によって、飲むものも変わるでしょう。

私はいろいろある選択肢の中で、炭酸ジュースを飲むことが多いです。周囲の友人に聞いても、二日酔いの時に炭酸ジュースを飲みたくなるという人は意外といます。

日常生活では炭酸ジュースは健康に対してあまりいいイメージがないので、避けている人もいると思います。

ここでは、炭酸飲料が二日酔いの軽減に効果的かについて説明していきます。なお、炭酸飲料には炭酸水のように糖分が含まれていないものも含まれますが、今回は糖分が入っている炭酸飲料についてのみ記載します。

炭酸飲料を飲むことは二日酔いの改善に効果的

私は子供の頃「コカコーラは砂糖の塊みたいなもの。虫歯になるから飲んだらいけない」と言われていました。同じように炭酸飲料は体によくないイメージがあり、日頃は飲まない人もいると思います。

しかし実は、炭酸飲料は二日酔いの改善には効果的な飲み物です。炭酸飲料には様々な成分が含まれています。それらの成分がどのように二日酔いの軽減に関わるのかについて説明していきます。

水分補給による脱水の改善

二日酔いの時は、体が脱水状態に陥っています。それにはアルコールと、アルコールを分解してできる二日酔いの原因物質のアセトアルデヒドが影響しています。

まず、アルコールには尿の量を増やす作用があります。この作用のことを利尿作用と言います。

お酒を飲むとトイレに行く回数が増える人は多いと思います。私は、日中は3〜4回しかトイレに行きませんが、飲み会の時は2〜3時間で何回かトイレに行きます。これはアルコールの利尿作用による影響です。

このように、アルコールによる利尿作用のために、お酒を飲んだ翌日は脱水状態になっています。

したがって、炭酸飲料を水分補給の目的で飲むことで、脱水状態が緩和します

炭酸による血管を広げる効果

炭酸飲料とその他の飲み物の決定的な違いは、炭酸飲料は蓋を開けた時に「プシュー」という音と共に泡が出ることです。この時現れる泡が炭酸ガスです。

炭酸ガスとは二酸化炭素のことです。二酸化炭素が水の中に溶けていて、蓋を開けた時に水に溶けきれない二酸化炭素のガスが泡として出ているのです。

あなたは、「炭酸が体にいい」という話を聞いたことがあるでしょうか。

水の代わりに炭酸水を飲む人もいますし、美容室で炭酸スパを受けたことがある人もいるでしょう。

これらは炭酸の作用により血管を広げることで、「水分の吸収がよくなること」「代謝がよくなること」を期待したものです

炭酸を飲むと炭酸が体に吸収されて、血管の中に入ります。炭酸は二酸化炭素と同じなので、体は二酸化炭素を排出して、酸素を取り込もうとします。これは呼吸をするのと同じ現象です。

この酸素を取り込もうとする働きのために、血管が広がるのです。これが炭酸によって血管が広がる理由です。そして、酸素が取り込まれることで代謝がよくなります。炭酸スパでは、同じことが頭皮で起きています。

血管が広がると水分の吸収がよくなる効果があります。血管が広がることで、より効率的に水分が吸収されるので、脱水の改善を助けてくれます

糖分による低血糖の改善

炭酸飲料の多くには糖分が大量に含まれています。実際、炭酸飲料にはどのくらいの糖分が含まれているのでしょうか。

コンビニなどでよく見る炭酸飲料の糖分を、下の表にまとめてみました。炭水化物は糖分の本体であるブドウ糖が繋がったものであり、表記は炭水化物の量でされています。

種類 500mLあたりの

炭水化物の量 (g)

コカコーラ 56.5
ペプシコーラ 59.5
サイダー 55
CCレモン 50.5
メロンソーダ 60

500mLの炭酸飲料を飲むと、だいたい50〜60gの糖分を摂取することになります。この糖分量は、実はおにぎり1個と同じくらいの糖分量です。

続いて、飲酒と低血糖について説明をします。

二日酔いの日の朝は異常な倦怠感に襲われます。これは体が低血糖状態になっているためです。

アルコールとアセトアルデヒドは肝臓で分解されます。ここで大切なのは、肝臓の仕事はアルコールやアセトアルデヒドを分解するだけではないことです。

肝臓は人間が生きていくために必要なたくさんの働きを担っています。その中の1つに糖分の生成があります。

肝臓はエネルギーの貯蔵庫としての働きがあり、糖分を蓄えています。そして血糖値に応じて少しずつ糖分を放出して、血糖値を上げる働きがあります。

そこでアルコールを飲むと、肝臓はアルコールの分解に専念し始めてしまいます。すると肝臓は、その他の仕事が疎かになります。先ほど説明した血糖値を上げる仕事もできなくなるので、低血糖になってしまうのです

先ほど説明したように、炭酸飲料には糖分が多く含まれています。500mLのペットボトル1本でおにぎり1個分の糖分が摂取できます。

食事を食べることが難しい時は、炭酸飲料を少しずつ飲むことで糖分の摂取ができます。そうすることで低血糖も解消します。

ビタミンCによるアルコールとアセトアルデヒドの分解促進

ほとんどの炭酸飲料にはビタミンCは含まれていません。しかし、CCレモンやリアルゴールドにはビタミンCが含まれています。なかには「ビタミンC入り」と書かれているものもあります。

実は、ビタミンCはアルコールやアセトアルデヒドの分解に必要な成分です。二日酔いの時は前日からのアルコールとアセトアルデヒドの分解で、体内のビタミンCが消費されています。

炭酸飲料からこれらのビタミンCを摂取することで、アルコールやアセトアルデヒドの分解を助けることができるので、二日酔いの改善に繋がります。

スプライトが最強の二日酔い改善の飲み物?

2014年に中国のHua-Bin Li先生らのグループが、アルコールの分解に関して興味深い論文を発表しました。それは「スプライトが二日酔いの改善に最も効果的な飲み物」という内容です。

この論文の反響は大きく、2chやツイッターなどでもスプライトに関する書き込みが増えました。本当にスプライトは二日酔いの軽減に特別な効果があるのでしょうか。

ここでは、その論文の内容を簡単に説明します。

その前に、論文の内容を理解するために「酵素」について説明する必要があります。

酵素は体の中でいろいろな分解のために働くもので、たくさんの種類が知られています。胃液によって食べたものが消化されるのは、胃液に含まれる酵素が働いているからです。

アルコールとアセトアルデヒドの分解にもそれぞれ酵素が働きます。アルコールの分解にはADH、アセトアルデヒドの分解にはALDHと呼ばれる酵素が働いています。

そして、この論文では57種類の飲み物をADH、ALDHと混ぜて、それぞれの酵素の働きにどのような影響が出るかを調べています。

その結果、スプライトとALDHを混ぜた結果、アセトアルデヒドの分解に関わるALDHの働きがよくなったという結果が得られています。つまり、スプライトにはアセトアルデヒドの分解を速くする効果があることを意味しています。

この結果は、二日酔いで悩む人にとっては最高の知らせだと思います。

しかし、この論文の内容を全て鵜呑みにするのは問題があります。実はこの論文には足りていない内容があります。それは、「実際に飲み物を飲んだ場合どうなるかについて検討していないこと」です。

論文で行った実験は実験室で行ったものであり、体の外で行ったものです。しかし、全く同じことが体の中で起きるとは限りません。

実際に飲んだものが体の中で効果を示すためには、まず体の中に吸収されなければなりません。そして吸収されても、すぐに分解されたり、尿として体の外に出てしまったりしては、効果はありません。

スプライトとALDHを混ぜると、ALDHの働きがよくなるのは間違いないでしょう。しかしこの論文では、実際にスプライトを飲んでどの程度効果があるかについては検証していないのです。

実際、私が二日酔いの時にスプライトを飲んでみた感想としては、その効果はよくわかりませんでした。スプライト以外にもコカコーラやCCレモンを飲むこともありますが、スプライトを飲んだ時が特別に楽になったような気はしませんでした。

個人的には、それぞれの炭酸飲料で味が違うので、その違いの方が大きいのではないかと思います。飲みやすいもの、好きな後味のものを飲むようにすれば問題ないでしょう。

まとめ

ここでは炭酸飲料が二日酔いの軽減に効果的であることについて解説しました。炭酸飲料には水分、炭酸、糖分、ビタミンCなどが含まれています。

二日酔いの時は体が脱水状態になっているので、水分補給は脱水の改善に必要です。また、炭酸を摂取することで水分の吸収を効率よくすることができます。

また、炭酸飲料に含まれる糖分はかなり多いので、二日酔いの時の低血糖の改善にも有効です。

そして、炭酸飲料の中にはビタミンCが含まれているものもあるので、それらはアルコールやアセトアルデヒドの分解を助けてくれます。

しかし炭酸飲料の中で、ビタミンCが含まれているものは少ないです。また、炭酸飲料に含まれる糖分だけでは低血糖の改善には限界があります。

そこで、炭酸飲料だけでは補いきれない糖分やビタミンCを、食事やサプリメントで補うことで、より早く二日酔いを軽減できます。