飲酒運転は法律で禁止されています。これは誰でも知っていることでしょう。
私が子供の頃は飲酒運転に対する罰則はいまほど重くなかったような気がします。しかし、飲酒運転による痛ましい事故が相次いだことにより、どんどん罰則は重くなっています。
お酒を飲んだ直後に車を運転するのは論外です。では、二日酔いのときに車を運転してもよいかわかるでしょうか。夜に飲んだお酒が、どのくらいの時間で体内からなくなるかを把握できているでしょうか。
ここではアルコールが車の運転にどのような影響を与えるのか、二日酔いのときに車の運転をしても問題ないか、飲酒運転で捕まらないためにできることを解説していきます。
アルコールが運転に与える影響
そもそもなぜ飲酒運転は禁止されているのでしょうか。少し考えればその理由はわかると思いますが、アルコールを飲むと判断力や動体視力が著しく低下し、事故を起こす可能性が高くなるからです。
まず、お酒が体に残っている状態で運転すると、どのような影響が現れるのかについて解説していきます。
どのくらいのお酒を飲むと酒気帯び運転の基準になるのか
飲んだお酒の量と、呼気中のアルコール濃度にはどのような関係があるのでしょうか。
後ほど詳しく説明しますが、私は缶ビールを350mL飲んだ後にアルコールチェッカーで呼気のアルコール濃度をチェックすると、完全に酒気帯び運転の基準値を超える結果でした。
一般的には、ビール中瓶1本(500mL)を飲むと酒気帯び運転の基準は超えるといわれています。もちろんこれには個人差があります。私のように350mLを飲んだだけでも基準値をはるかに超える人もいます。
このようなことから、飲んだ直後に車を運転すると確実に呼気にアルコールが含まれるので、酒気帯び運転の対象になることがわかります。
アルコールは運転にどのような影響を与えるか
私はお酒を飲んで家の中を歩いたときに、肩が壁にぶつかったり、足を机の角にぶつけたりした経験があります。朝起きると謎のアザができていることもあります。
これはお酒を飲むことで、運動能力や判断力が低下することが原因です。実際にお酒を飲んで運転したときの反応時間を検証した実験があります。
引用:「低濃度のアルコールが運転操作等に与える影響に関する調査研究」科学警察研究所交通安全研究室
このようにお酒を飲んで運転をすると反応時間が遅くなり、日頃では起こさないようなミスや見落としをしてしまいます。しかも、アルコール濃度が高くなるほど、反応時間はより遅くなる傾向が見られます。
お酒を飲んで運転をすると事故を起こす可能性が確実に高くなります。お酒を飲んだ後の運転は絶対にやめましょう。
二日酔いで運転をした実験の結果
飲酒直後に車を運転するのは確実に飲酒運転になりますが、二日酔いで車を運転すると飲酒運転になるでしょうか。これは誰もが一度は疑問に思ったことがあることだと思います。
飲酒運転になるかどうかは、呼気検査でアルコールが検出されるかどうかで決まります。二日酔いは、お酒を飲んだ翌日もアルコールや分解物のアセトアルデヒドが体内に残っている状態です。
したがって、二日酔いの状態で呼気検査をすれば、アルコールが検出される可能性は高いです。酒臭い状態であれば間違いなくアルコールが検出されます。
呼気中にアルコールが検出されれば、飲酒後に車を運転しているのと同じことです。たとえ昼間や夕方であっても、呼気検査でアルコールが検出されたらアウトです。
深酒をして睡眠時間が少ないと、朝起きたときにアルコールが体内に残っている可能性があります。一晩寝たから大丈夫だろうという考えは改めるようにしましょう。
飲酒運転に対する罰則
芸能人や公務員の場合は、ニュース番組で大々的に取り上げられます。サラリーマンの場合でも厳しい処分が課せられることが多いです。私が以前働いていた会社では、飲酒運転で捕まると即懲戒免職でした。
では実際に飲酒運転で検挙された場合、実際どのような罰則を受けるのでしょうか。ここからは飲酒運転の基準、罰則について説明していきます。
自動車による飲酒運転に対する罰則
飲酒運転に該当するかどうかの基準、行政処分内容、罰則は、以下のように定められています。
罰則 | |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
飲酒運転は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分けられます。これらの違いは、呼気中のアルコール量を測定するかどうかです。
酒気帯び運転は、呼気中のアルコール量が0.15mg/L以上であれば該当します。そして、0.25mg/L以上であれば違反点数が13点から25点に上がり、処分内容はより重くなります。
一方で、酒酔い運転でアルコール量は関係ありません。酒酔い運転の定義は「アルコールの量に関係なく、酒に酔った状態で正常な運転ができない恐れがあるとき」です。罰則の内容は酒気帯び運転よりも重いです。
そして、罰則を受けるのは飲酒運転をした人だけではない場合もあります。同乗者やお酒を提供した人にも、下の表の内容の重い罪が科せられることがあります。
罰則 | |
運転者が酒気帯び運転 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
運転者が酒酔い運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
ここまで紹介してきたのは飲酒運転が検挙されたときの罰則です。そしてここに事故が加わると、自動車過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪などの罪に問われるようになり、懲役刑が確定する場合もあります。
私の遠い知り合いで飲酒運転で事故を起こした人がいます。当然、現行犯で逮捕されました。
被害に遭った車に乗っていた人は骨折の重傷を負ってしまいました。細かい刑事罰の内容はわかりませんが、刑務所に収監されたと聞きました。
しかも、その知り合いは癌の末期だったので、おそらくそのまま生涯を終えていると思われます。そして、被害者の1人は事故後の話し合いも拒否していると聞きました。被害者の方の想いを想像すると、気の毒でなりません。
飲酒運転は罰を受ければそれで全て解決ではありません。悲しい想いをする人を作らないためにも、飲酒運転は絶対にしないようにしましょう。
お酒を飲んだら自転車の運転もダメ?
車で飲酒運転をしてニュースで取り上げられる事件は残念ながらよく見ます。その一方で、自転車で飲酒運転をしてニュースになった例はほとんど見ません。
お酒を飲んで自転車に乗ったことがある経験は多くの人がしているでしょう。私も学生時代は飲み会に自転車で行っていました。泥酔になってしまい、道端の植木に突っ込んでしまったこともあります。
このようにお酒を飲んで自転車に乗ることは危険を伴うことですが、違反になるのでしょうか。道路交通法には以下のように記載されています。
道路交通法 第65条 第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
車両等には自動車や原動機付自転車(原付)だけでなく、自転車も含まれます。したがって、自転車でも飲酒運転は禁止されているのです。
しかし、自動車と自転車では罰則が大きく異なる点があります。それは、自転車の場合は酒酔い運転に対して罰則がありますが、酒気帯び運転に対しては罰則がないことです。
まず、呼気中のアルコール濃度に関する基準がないので、呼気の検査をすることはありません。
問題になるのは酒酔い運転なので、蛇行して運転していたり、車道の真ん中を運転したりするなど、危険性の高い運転をしている場合です。実際に逮捕されている事件もニュースで取り上げられています。
お酒を飲んで自転車の運転をすると当然事故の可能性は上がります。お酒を飲んだ後は、自動車やバイクだけでなく、自転車の運転もしない方がよいでしょう。
飲酒検問を拒否すると事態を悪化させる可能性がある
お酒を飲んだ後に車を運転するのは論外ですが、二日酔いのときに運転していて検問に引っかかった場合はどうするのがよいでしょうか。
正解は「悪あがきはせずに、大人しく検査を受ける」です。拒否をすると以下のような飲酒検査拒否罪に問われることがあります。
道路交通法 第108条の2
警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、三カ月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
具体的には、検査を拒否したり、その場でアルコールを飲んで飲酒運転がわからないようにしたりしてしまうなどが該当します。このように、罰則がさらに重くなる可能性があるので、大人しく検査には応じましょう。
飲酒運転で事故を起こしたときに保険は使用できるか
自動車を所有している人は、ほぼ全員任意保険に加入していると思います。私も入っています。
飲酒運転は通常時と比べて運転技術が著しく低下します。当然事故を起こすリスクも高くなります。では飲酒運転で事故を起こしてしまった場合、保険はおりるのでしょうか。
もちろん私は飲酒運転をしたことがないので、実際保険会社に質問してみました。私が加入している損保ジャパン日本興亜によると、「対人・対物は保険がおりる、運転者とその車には保険がおりない」だそうです。
約款にも以下のように明記されていました。
事故を起こすと他人に迷惑をかけるだけでなく、自分も痛い思いをします。そして怪我をしても保険は守ってくれません。
お酒が抜けるまでにどのくらい時間がかかるか
深酒をしてしまうと、翌日の朝に明らかにお酒が残っているのを感じると思います。一方で早く飲み始めて早く寝ると、翌日の朝はすっきりと目覚める経験をしたことがある人もいるでしょう。
実際、飲酒運転による事故のうち約20%は朝6時〜昼12時の間に起きているという調査報告もあります。
引用:警察庁交通局配布資料 飲酒運転事故関連統計資料
このようにアルコールは翌日の朝でも残っていることが多いことがわかります。もちろんお酒を飲む量が増えるほど体内から消えるまでに時間がかかります。
アルコールが体内から抜けるまでの計算式
お酒を飲んだ後に体内から抜けるまでにどのくらいかかるかわかりますか。お酒によってアルコール度数は違うので、飲むお酒の種類や量によってばらつきがあります。
お酒の分解についてはいろいろと研究されています。簡単に計算できるもので、以下の式でアルコールの分解にかかる時間はだいたい計算できます。
①1時間で分解できるアルコール量を計算する
体重(kg) × 0.1 = 1時間で分解できるアルコール量(g)
②飲んだアルコール量を計算する
飲んだお酒の量(mL) × アルコール度数(%) ÷ 100 × 0.8(アルコールの比重) = 飲んだアルコール量(g)
③アルコールが全て分解される時間を計算する
飲んだアルコール量(g) ÷ 1時間で分解できるアルコール量(g) = アルコールの分解にかかる時間(時間)
例えば体重70kgの男性が、ビール500mL(アルコール度数5%)を飲んだ場合を計算してみます。
1時間で分解できるアルコール量は70×0.1=7gです。
そして、飲んだアルコール量は500×5÷100×0.8=20gです。
ここからアルコールの分解時間を計算すると20÷7=2.86時間です。
これはあくまで計算で算出したものです。性別によって違いますし、身体が疲れているかどうかでもアルコールの分解時間は大きく変わってきます。計算結果は参考にする程度に留めるのがいいでしょう。
睡眠中の方がアルコールの分解は遅い?
お酒を普段よりたくさん飲んでしまったときはどうするでしょうか。私は猛烈に眠気が襲ってくるので、すぐに寝てしまいます。
しかし、この方法はアルコールの分解という意味では最善の方法ではないのです。
札幌医科大学の松本教授らの研究では、寝ない方がアルコールの分解が進むことが明らかになっています。
引用:Jpn. J. Alcohol & Drug Dependence 2011,46,146
しかし、お酒を早く分解するためだけにずっと起きておくのは現実的ではありません。むしろ、睡眠不足による仕事の効率低下などの別の問題が起きるでしょう。
そこで、お酒を飲み終わってすぐに寝ないことをお勧めします。
早めに晩酌を切り上げて、テレビを見たり、シャワーをさっと浴びたりなどして、すぐに寝ないようにするとよいでしょう。お酒を飲み終えてから寝るまでの時間を少しでも空けることで、アルコールの分解を進めるようにするとよいでしょう。
飲酒運転を防ぐにはどのような対策が必要か
二日酔いの時、休日であればそのまま家でゴロゴロして療養すれば問題ないでしょう。
しかし、仕事がある場合、どうしても車で出勤しなければならない人は多いでしょう。ただし、万が一検問の呼気検査で引っかかってしまうと、「出勤するために仕方なかったんです」と言っても見逃してはくれません。
飲酒運転をしないようにするためにも、自宅で簡単にできる対策を紹介します。
アルコールチェックアプリ
飲んだお酒の量から現在の血中アルコール濃度を計算してくれるアプリはいくつも開発されています。
例として、Androidでダウンロード数が多いもの「AlcoDroid」を使ってみました。
飲んだお酒の種類、量を選択すると、何時にアルコールが抜けるかを計算してくれます。お酒の分解は体重、性別によって大きく違いますが、これらの項目を入力できるので、少しでも個人差を無くすことができます。
実際の呼気中のアルコール濃度を測定するわけではないですが、体内にアルコールが残っているかの一つの判断材料にはなると思います。
アルコールチェッカーによる呼気のアルコール濃度測定
市販のアルコールチェッカーが売られています。店頭で取り扱っているものは少ないですが、ネットで簡単に購入することができます。
値段はピンキリで、2000円程度のものから10万円以上するものまであります。私が持っているものはamazonで2000円で購入した「ACEON アルコールチェッカー」です。
使い方は非常に簡単です。電源ボタンを押して、10秒程度のウォームアップが終わると、ノズルから息を吹きかければ自動で結果が表示されます。
下に実際にお酒を飲んで、翌日の朝までアルコール濃度を測定した結果を示します。
この日は缶ビール(アルコール度数5%)だけを飲んでいて、最終的に1200mL飲みました。飲んでいる途中も、350mL、700mLの時点でのアルコール濃度を測定しています。
飲み終わった時間は21時であり、21時30分に就寝しました。そして、2時30分に一度中途覚醒して、最終的には5時に起きました。
なお、このアルコールチェッカーは血中のアルコール濃度を算出するものだったので、その結果から呼気中のアルコール濃度を計算したものも載せています。
結果はビールを350mL飲んだ時点で、呼気アルコール濃度は0.60であり、飲酒運転の基準値(0.15以上)をはるかに超えるものでした。もちろん運転できるような状態ではなかったです。
夜中の2時30分に起きたときも0.20であり、飲酒運転の基準に引っかかる値でした。飲み終わってから5時間以上経っていましたが、運転はできない状態です。
そして、朝5時に起きたときはバッチリ二日酔いになっていました。アルコールも残っていると思っていましたが、結果は意外なものでした。家族に口臭を嗅いでもらいましたが、酒臭いとは言われませんでした。
こちらはアプリと違って実際のアルコール濃度を測定してくれるので、より信頼できる結果だと思います。
しかし、アルコールチェッカーでは朝の結果は飲酒運転にはならないですが、体が怠すぎて運転できる体調ではなかったです。
体調が悪いときに運転することも禁止されています。あくまでアルコールチェッカーの結果は参考にする程度にして、運転するかは体調と相談した上で判断した方がよいと思います。
飲酒運転を防ぐための方法の1つは、早めにお酒を飲むのを切り上げることです。今回の結果でも、早めに飲むのをやめて寝たことで、朝にはアルコールは抜けていました。休息をしっかりとることで、朝の目覚めをよくしましょう。
アルコールを早く分解する方法
次の日に車を運転しないといけないのにも関わらず、ついつい飲み過ぎてしまった経験がある人はかなり多いでしょう。もちろん私もその1人です。
一度飲んでしまったアルコールは、すぐに体の外に出すことはできません。そこで、少しでも早くアルコールの分解をさせ、体内から除去させる方法を紹介します。
・水分補給
お酒を飲むとトイレに行く回数が増える人は多いでしょう。これはアルコールに尿量を増やす作用(利尿作用)があるためです。そのため、お酒を飲んだ後や翌日の体は脱水状態になっています。
脱水を改善するためには、水分を補給するしか方法はありません。
水分を摂るのは寝る前と朝起きたときの両方がよいです。寝る前に飲むと、朝の脱水状態を少しでも軽くできます。また、朝起きたときの飲むことで、脱水の改善と、尿量を増やすことによるアルコールやアセトアルデヒドの排泄促進が期待できます。
・サプリメントの摂取
アルコールの分解には水以外にも様々な成分が関わっています。それらの成分を補うことでアルコールの分解を促進することができます。
アルコールの分解に関わる成分は、具体的にはビタミンB1、ビタミンC、アミノ酸、カフェイン、クルクミン(ウコンに含まれる)などです。
これらの成分を食事やサプリメントで補充することで、アルコールの分解を早めることができます。
また、上記の成分は日頃から定期的に摂取することで、肝臓の機能を高めることができ、アルコールを分解しやすい状態を作ってくれます。
まとめ
今回は飲酒運転に関する情報を説明しました。お酒を飲んだ後に車を運転することは禁止されています。お酒を飲んだら絶対に運転してはいけません。
お酒を飲んだ直後だけでなく、二日酔いの状態でもアルコールが検出される可能性はあります。アルコールが検出されなくても、二日酔いの状態であれば本来の運転ができません。
飲酒運転は厳しい罰則が課せられます。罰が与えられるだけでなく、懲戒免職など社会的な地位も失うことになり、取り返しがつかないことになりかねません。
アプリやアルコールチェッカーを利用することで、気づかないうちに飲酒運転をしていることがないようにしましょう。飲酒運転をしないためにも、お酒の量はほどほどにし、二日酔いにならないようにすることが大切です。