お酒を飲んだ次の日の朝に鏡を見たときに、目が真っ赤になっていて驚いた経験をしたことはないでしょうか。

また、ほかの人が同じような症状になっているのを見て、「大丈夫かな」と思った経験もあると思います。

このような症状はそのままにしておくと、問題が起きることはあるのでしょうか。そして、お酒の飲み過ぎで目に問題が起きることはないのでしょうか。

ここでは、お酒を飲み過ぎると目にどのような影響が出るかについて説明していきます。

お酒を飲んで目が赤くなる病気について

目が充血すると、人と会ったときに、「目、大丈夫?」と心配されることが多いです。充血が生じているときは、目に何が起きているのでしょうか。

充血と結膜下出血について

そもそもなぜお酒を飲んだ次の日は、目が充血していることがあるのでしょうか。それは血管が拡張しているためです。血管が広がると赤く見えるようになります。

例えば、お酒を飲むと顔が真っ赤になる人がいます。このような人は、顔だけでなく、手やお腹も赤くなっていることがあります。これらも、血管が広がった結果、赤く見えるためです。

では、なぜお酒を飲んだ翌日は血管が拡張するのでしょうか。これには、アルコールが分解してできる、二日酔いの原因物質の1つのアセトアルデヒドが関わっています。

アルコールは、肝臓で分解されてアセトアルデヒドになります。そして、アセトアルデヒドには血管を広げる作用があります。このアセトアルデヒドができることで、血管が広がり、充血するのです

下に実際に私の目が二日酔いで充血している写真を載せています。

ひどい充血ではないのでわかりにくいかもしれませんが、充血している部分は血管が浮き出ています。充血の特徴は、目の血管だけが赤くなることです。

一方で、同じように白目の部分が赤くなる病気の1つに結膜下出血があります。充血と結膜下出血の違いは、出血しているかどうかです。

充血では出血はしません。充血は血管が広がるだけなので、血管がある場所だけが赤くなります。

一方で、結膜下出血では目の血管が傷ついて、出血が起きます。そのため、結膜下出血では、白目全体が赤くなります

実際に、結膜下出血の写真を下に載せています。

引用:眼疾患 説明の仕方と解説 改訂3版より

なお、お酒を飲み過ぎたことによって生じるのは、ほとんどの場合が充血です。

ちなみに、私は結膜下出血を経験したことはありませんし、実際に周囲の人が結膜下出血になっているのを見たこともありません。しかし、お酒を飲み過ぎたことで、ごく稀に結膜下出血も生じることがあるので、頭の片隅には置いておいてもよいと思います。

充血や結膜下出血が起きたときはどう対処するのがよい?

では充血をしたときや結膜下出血が起きたときは、何か対処した方がよいのでしょうか。特に結膜下出血は見た目が痛々しいので、何か治療をした方がよいだろうと感じます。

しかし実は、基本的に何もする必要はありません。なぜなら、何もしなくても自然と症状は改善するからです

充血しているのは血管が拡張しているためであり、その原因はアセトアルデヒドです。

アセトアルデヒドは放っておいても、いつか分解されます。そのため、充血を治すために目薬などを使用する必要はないのです。

実際、二日酔いのときに目が充血していても、その状態が何日も続くことはありません。

結膜下出血の場合は、充血よりは治るのに時間がかかります。それでも1〜2週間あれば自然と症状は回復します。

私の知り合いの眼科医に話を聞きましたが、「結膜下出血の患者さんに対しては「2週間くらいしたらよくなるから大丈夫」と話をするだけで、基本的には目薬の治療などはしない」と話していました。

このように、お酒を飲み過ぎた翌日に充血や結膜下出血になっても、基本的に何もしなくても自然と症状は改善します。

お酒を飲んだ翌日の朝に目が腫れることがある

目が覚めて鏡を見たときに、白目は普段通りでも、まぶたが腫れていたことはないでしょうか。下にまぶたが腫れている状態のイメージ写真を載せています。

引用:千寿製薬株式会社ホームページ まぶたが腫れる・ただれる

こうなると、目が開かないと感じることもあるかもしれません。このような状態も痛々しいので、周囲の人が見ると「大丈夫?」と言いたくなります。

しかし、実はこのようにまぶたが腫れていても、すぐに治療が必要なことはほとんどありません。基本的にはその日のうちに改善するので、病院に行く必要もないです。

このように目が腫れる原因としては、寝ている間に下を向いていたことや、顔がむくむのと同じように水分が溜まっていることなどが挙げられます。いずれも一過性のものなので、自然治癒します。

お酒の飲み過ぎで目が痛くなること(眼痛)はある?

お酒を飲み過ぎて二日酔いになると、頭が痛くなったり、胃が痛くなったりします。では目に痛みが出ることはあるのでしょうか。

実際は、お酒の飲み過ぎで目が痛くなることはありません。私もひどい二日酔いを何度も経験していますが、これまでに目が痛くなったことは一度もありません。

目の奥が痛いときは、群発頭痛の可能性がある

アルコールを飲み過ぎても、目が痛くなることは基本的にありません。しかし、ごく稀に目の奥に激痛が生じることがあります。そのときは「群発頭痛」が起きている可能性があります。

群発頭痛は目の奥にある神経の三叉(さんさ)神経が刺激されることで、痛みを生じる病気です。

「目が痛い」と感じて眼科を受診することもありますが、領域としては神経内科が専門になります。

群発頭痛で眼科を受診して、何もしてもらえないわけではありませんが、痛み止めの飲み薬を少し処方してもらうくらいしかできないのが現実です。

群発頭痛の発生頻度はかなり少なく、1,000人に1人くらいです。ちなみに私は群発頭痛に襲われたことはありませんし、私の知り合いにも群発頭痛になったことがある人はいません。

そして、群発頭痛はアルコールの飲み過ぎによって生じることがあります。珍しい病気ではありますが、起きると痛みがひどい病気です。

アルコールが原因で眼圧が上がることはない

目の病気で、よく知られているものの1つに緑内障があります。緑内障は目の中の水圧(これを眼圧と呼ぶ)が上がることによって、視界が狭くなり、かなりひどくなると失明する可能性もある病気です。

しかし、アルコールを飲んでも眼圧は上がりません。私の知り合いの眼科医にも話を聞きましたが、「アルコールを毎日摂取しても、眼圧が上がることはない」と言っていました。

また、眼圧が多少上がっても、目がチカチカしたり、目が見えないなどの症状が現れたりすることはありません。基本的には眼圧が上がっても無症状です。

以上のように、アルコールを飲んでも、目の痛みが起きることはないと言えます。

二日酔いでコンタクトレンズを使用する場合に影響はあるか

コンタクトを使用している人は、二日酔いのときに注意することはあるのでしょうか。実は、二日酔いでコンタクトレンズを使用しても、問題になることはほとんどありません。

あまりよくないことですが、コンタクトレンズをつけたまま夜寝てしまっても、朝起きて目に問題が起きていることはほぼありません。

これは私の周りで実際にコンタクトを使用している人に聞いても、みな同じように「問題が起きたことはない」と言っていました。

違和感があるとしても、少し目が乾いた感じがするくらいであり、その日も普通にコンタクトレンズを使用できることがほとんどです。

こちらについて、私の知り合いの眼科医にも話を聞きましたが、最近はコンタクトレンズの性能もよくなったので、基本的には注意することはないようです。

コンタクトレンズを使用するにあたって、コンタクトレンズや目のケアをすることは当然必要です。しかし、二日酔いだからといって、特別に注意することはないと考えてよいでしょう。

まとめ

ここでは、お酒を飲み過ぎると目にどのような影響が出るかについて説明しました。

お酒を飲み過ぎると、目が充血したり、目の血管が傷ついてしまったりして、白目の部分が真っ赤になることがあります。また、まぶたが腫れて、目が開きにくいこともあります。

しかし、これらについては、基本的には自然に治癒するので、積極的な治療をする必要はありません。

また、お酒の飲み過ぎで目が痛くなることもありません。ごくまれに眼球の裏が痛くなる群発頭痛が生じることがあります。なお、群発頭痛は眼科ではなく神経内科が専門になります。

そして、コンタクトレンズを使用している人も、二日酔いだからといって特別に注意することはありません。基本的には、通常通り使用しても大丈夫です。

このように、お酒を飲み過ぎても目に問題が生じることはほとんどありません。

しかし、治療の必要がないとはいえ、充血や結膜下出血は、はたから見ていて気になります。私も目が赤い人を見ると、「目、大丈夫?」と言ってしまいます。周囲の人に気を遣わせないためにも、お酒の飲み過ぎには注意するようにしましょう。