飲み会の後にラーメンが食べたいなあと思う人は多いでしょう。いわゆる「締めのラーメン」です。私も太るからよくないと思いつつも、どうしても締めのラーメンを食べてしまうことが多いです。

また、二日酔いの日の朝はなかなか食欲が湧きません。そのようなときに、なぜかラーメンを食べたくなることはないでしょうか。朝は何も食べられなかったけれど、お昼にラーメンを食べたことがある人もいると思います。

体調が悪いときの食事であれば、ラーメンよりおかゆや雑炊の方が体に優しいです。また、お酒を飲んでいなければ、水分や栄養分の補給もスポーツドリンクやサプリメントを選択するでしょう。

では、なぜお酒を飲んだ後や二日酔いのときにはラーメンを食べたくなるのでしょうか。

ここでは、お酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなる理由、二日酔いのときにラーメンを食べることが症状の改善に繋がるか、ラーメンを食べるときの注意点について説明します。

なぜ締めにラーメンを食べたくなるのか

経験がある人はわかると思いますが、締めのラーメンは最高に美味しく感じます。直前まで食べていたものとは、比べものにならないくらい体に染み渡ります。

これはなぜでしょうか。実はお酒を飲んでいることが影響しているのです。具体的には以下の内容です。

  • 食欲増進
  • 塩分と水分の喪失
  • 低血糖状態

これらの内容について具体的に説明して行きます。

食欲増進

アルコールには食欲を増進する作用があります。お酒を飲むと、普段以上に食事を多く食べてしまう人は多いと思います。居酒屋で飲んでいて、最終的にものすごい量を食べてしまった経験がある人もいるでしょう。

この食欲の増進作用は、脳の満腹を感じさせる部分の働きを抑える作用がアルコールにあるためと言われています。つまり、お酒を飲むと、「満腹中枢が麻痺する」という状態になるのです

このように、お酒を飲むと食欲が増進されます。締めのラーメンを食べたくなるのは、アルコールによって食欲が増していることが影響しています

塩分と水分の喪失

お酒を飲むと、日中と比べてトイレに行く回数が増えると思います。これはアルコールに尿の量を増やす作用があるからです。

アルコールは体に入ると脳に働きかけて、尿量を調節しているホルモンの量を減らすよう命令を与えます。このホルモンは腎臓に作用して、尿の量を適量に調節しています。そして、ホルモンが減ることによって、尿量が増えるのです。

このように、お酒を飲むと尿の量が増えることで、体が脱水状態になっています。そのため、お酒を飲んだ後は、体が水分を必要としている状態と言えます。

ラーメンの麺は意外と水分を多く含んでおり、茹でた後の中華麺100gのうち65gが水分です(引用:五訂増補日本食品標準成分表)。ラーメン1杯には200〜250g程度の中華麺が入っているので、ラーメンの麺を食べるだけでも水分を補給できます

また、ラーメンを食べるときには、体によくないとわかっていてもスープを飲んでしまうと思います。しかし、スープを飲むことで水分をさらに補給することができます

また、体が脱水状態のときは塩分も足りていない状態です

大量に汗をかいた人の服が白くなっているのを見たことがないでしょうか。あの状態は、汗に含まれる塩分が服についているのです。このように水分が体から失われるときは、一緒に塩分も失われています。

ラーメンには大量の塩分が含まれているのを知っている人は多いと思います。下に実際のカップラーメンの成分表を載せています。

厚生労働省が定める1日の塩分摂取量の目標値は、男性が8g未満、女性が7g未満です。この数値と比較すると、このカップラーメン1個に1日に必要な塩分摂取量が含まれていますラーメンにいかに多くの塩分が含まれているかがわかると思います。

このように、ラーメンを食べることで水分と塩分を摂取することができます。

低血糖状態

知っている人も多いと思いますが、アルコールの分解は肝臓で行われます。アルコールは肝臓で分解されると、二日酔いの原因物質のアセトアルデヒドになります。

そして、アセトアルデヒドも肝臓で分解されて、体にとって無害な酢酸になり、最終的には体の外に排泄されます。

いずれの物質も肝臓で分解されるので、お酒を飲み続けていると、肝臓は働き続けていることになります。

ところが、元々肝臓はアルコールの分解以外にも生きるために必要なたくさんの仕事を担っています。その中の1つに糖分の生成があります。

アルコールやアセトアルデヒドは体にとって異物であり、毒性があるので早急に分解しなければなりません。したがって、お酒を飲み始めると、肝臓はアルコールの分解に集中するようになってしまいます。

そうなると、そのほかの仕事ができなくなってしまいます。その結果、糖分の生成もできなくなってしまうので、血糖値が下がってしまうのです

血糖値を上げるためには、糖分の補給が必要です。食事の中に含まれる糖分は、糖分がいくつも繋がった「炭水化物」として存在しています。炭水化物は主に小腸で分解されて糖分となり、最終的には体の中に吸収されて血糖値を上げます。

ラーメンは炭水化物を多く含む食べ物です。実際、ラーメン1杯に含まれる糖分は、ご飯に置き換えると、おにぎり2個分以上に相当します

このようにラーメンには多くの炭水化物が含まれており、低血糖の改善効果があります。

以上のように、ラーメンには水分、塩分、糖分が含まれています。お酒を飲んだ後は体が脱水状態になっており、塩分や糖分も不足している状態です。そこで、このような状態を改善するためにラーメンを食べたくなるのです。

二日酔いのときの食事にラーメンは効果的か

二日酔いの朝は、吐き気で胃が何も受け付けないような状態になっている人もいると思います。しかしそのようなときに、なぜかラーメンを食べたくなることはないでしょうか。

これは先ほど説明した、お酒を飲んだ後にラーメンが食べたくなるのと同じようなことが起きているのです。

二日酔いのときも、アルコールの影響で体は脱水状態であり、低血糖にもなっています。その症状を改善するためにラーメンを食べたくなるのです

・トッピングで栄養補給をする

ラーメンを食べるときに、何も具材を入れずに食べることはほぼないと思います。カップラーメンでも多少のトッピングはされています。

そこで、もし二日酔いのときにラーメンを食べるのであれば、二日酔いの改善を促すような具材をトッピングすることで、少しでも症状を改善することができます。

ラーメンによく入っている具材の中で、二日酔いの改善効果があるのは以下の具材です。

  • キャベツ
  • チャーシュー

まず、卵には栄養分が豊富に含まれています。卵に含まれるアミノ酸の1つであるシステインは、肝臓の機能の回復を助けます。

そして、キャベツには多くの種類のビタミンやミネラルが含まれています。アルコールやアセトアルデヒドの分解にはビタミンCやビタミンB1が関わりますが、キャベツには特にビタミンCが多く含まれています。

また、チャーシューにはビタミンB1が多く含まれており、アルコールの分解で消費されたビタミンB1を補うことができます。

このようにトッピングを工夫することで、二日酔いの改善効果のある成分を摂取することができます

ラーメンを食べるときの注意点

ここまで、ラーメンには様々な栄養分が含まれているので、アルコールを飲むことで失われた栄養分の補給ができることを説明してきました。

しかし、お酒を飲みすぎたときは、ラーメンを食べることがしんどいときもあります。また、二日酔いの朝は胃腸が弱っているので、ラーメンはあまりにも重すぎます。

正直ラーメン以外の食事で、栄養補給に適しているものはいくらでもあります。例えば、サプリメントを摂取してもいいですし、スポーツドリンクを飲んでもよいです。糖分の摂取であれば、おかゆや雑炊の方が遥かに胃腸に優しいです

ラーメンを食べることで水分、塩分、糖分の摂取ができるのは間違いありません。しかし、食べられるかを体とよく相談してから食べなければ、余計に気持ち悪くなる可能性が高いです。

ほかにもラーメンを食べるときには注意をしなければならないことがあるので説明します。

・生活習慣病に注意が必要

私がよく食べるカップラーメン(味噌ラーメン)の成分表を下に載せています。

ラーメンには炭水化物、塩分、脂質が多く含まれています。トッピングの内容次第では、ビタミンやたんぱく質も摂取することができます。

また、ラーメンの種類によっても摂取できる栄養分が異なります。私がよく食べる味噌ラーメンには、多くの種類の栄養分が含まれている味噌が使用されています。

そして、「味噌は医者いらず」とも言われています。味噌ラーメンを食べることで、味噌に含まれるビタミン、タンパク質、ミネラル、食物繊維などの多くの栄養分を摂取できます。

しかし、ラーメンを食べすぎると栄養摂取量が過剰になってしまう恐れがあります

すでに説明したように、ラーメンには塩分がかなり多く含まれています。

また、炭水化物はカップラーメン1個でおにぎり2個以上分が含まれています。

脂質は1日摂取量の目安が約60gと言われています。カップラーメン1個には1日の目安の1/3程度が含まれます。

お酒を飲むときは、唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物を食べることが多いです。したがって、カップラーメンを食べると脂質も過剰摂取になる可能性があります。

なお、生麺タイプの袋麺も、脂質の量は少なめですが、塩分と炭水化物は多く含まれます。

このように、ラーメンは栄養分を多く含むので、栄養分の過剰摂取には注意が必要です。過剰摂取になると、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病につながるリスクが高くなります

・消化が悪いので下痢になりやすい

ラーメンは消化が悪い食べ物です。特に二日酔いのときは胃腸が弱っているので、食べたくない人もいると思います。

実はこのラーメンの消化の悪さが、下痢につながることがあります。特にお酒を飲んだ後のラーメンは要注意です。

食べたものは胃、十二指腸、小腸で消化されます。特に十二指腸で消化を受けるときは、肝臓で作られる消化液の胆汁が関わります。

すでに説明したように、アルコールを飲むと、肝臓はアルコールの分解に専念し始めます。その結果、低血糖になってしまうのですが、同じように胆汁を作る仕事も疎かになってしまいます。

胆汁が少なくなってしまうと、十二指腸での消化が不十分になります。これにより、その後の大腸での水分の吸収も不十分になってしまいます。その結果、最終的には下痢になってしまう可能性があるのです

・刺激物が入っていると胃への負担がさらに大きくなる

ラーメンにも色々な種類がありますが、特に辛いラーメンは弱っている胃腸には刺激が強すぎるので要注意です

辛いラーメンによく含まれる唐辛子の辛味成分には、食欲の増進作用やダイエット効果などがあり、適量であれば体にはよいとされています。

しかし、辛味成分は胃や腸の粘膜を刺激する作用があるので、お酒によって荒れた状態がさらに悪化してしまう可能性があります。激辛ラーメンなどは、お酒を飲んだあとは食べないようにしましょう。

まとめ

ここでは、お酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなる理由、二日酔いのときにラーメンを食べることが症状の改善に繋がるか、ラーメンを食べるときの注意点について解説しました。

お酒を飲んだ後にラーメンが食べたくなるのは、食欲が増進していること、脱水状態、低血糖状態が影響しています。

二日酔いのときも脱水と低血糖が続いているので、体調が悪くてもラーメンを食べたくなることがあります。

そして、ラーメンには炭水化物、水分、塩分が多く含まれており、トッピングの内容によっては多くの栄養分を摂取することができます。

このような理由から、お酒を飲んだ後や二日酔いのときに、ラーメンを食べたくなる気持ちはよくわかります。

しかし、胃腸への負担、栄養分の過剰摂取を考慮すると、あまりおすすめはできません。むしろ、このようなときの栄養補給であれば、サプリメント、スポーツドリンク、おかゆなどの方が適しています。

もしラーメンを食べるのであれば、生活習慣病の有無や、そのときの体の状態を十分考慮してから食べる必要があります。