二日酔いの人が近くにいると「酒くさい」と感じることがあります。あの臭いは、本人はほとんど気になりませんが、周囲の人は敏感になってしまいます。

私も周りから「酒くさいよ」と言われると、対策をしなければと感じます。そもそも、なぜお酒を飲んだ次の日は不快な臭いが出るのでしょうか。

ここでは、二日酔いのときに感じる口臭、体臭などの原因と、その対策方法について説明します。

口臭の原因と対策について

ひどい二日酔いの人とすれ違ったり、狭い部屋に一緒にいたりすると、独特の臭いを感じます。

私も、二日酔いの臭いで印象に残っているエピソードがあります。

ひどい二日酔いになった日に、当時交際していた女性とどうしてもドライブがしたくて、助手席に乗りました。すると、真冬だったにも関わらず、ドライブ中に「窓を開けてもいいかな」と言われてしまいました。

完全に私が悪いのですが、気をつけないといけないなと感じた瞬間でした。

口臭は、食べた物や飲んだ物の影響を大きく受けます。お酒を飲んだ直後は、口から酒の匂いがします。また、胃の中に入ったもののにおいが、げっぷなどで上がってくることでくさいと感じます。

一方で、二日酔いのときの臭いは、お酒に含まれるアルコールが分解してできるアセトアルデヒドが関わっています

アルコールは体に吸収されると、肝臓で分解されてアセトアルデヒドになります。このアセトアルデヒドが体に蓄積すると、二日酔いになると言われています。

そして、アセトアルデヒドは体の中にたまると、呼気の中にも含まれるようになります。その結果、あの独特な臭いが出るようになるのです。

また、アセトアルデヒド以外にも臭いの原因物質として考えられているものが複数あります(引用:日本醸造協会誌, 2016, 111, 694)。具体的な物質名の説明は割愛しますが、いろいろな物質が混ざることで、あの不快な臭いになっているのです

このようなときに、口臭を改善するための方法として、私が実践して効果があったのは以下の3点です。

  • ブレスケアを食べる
  • 味のある飲み物を飲む
  • マスクをする

続いて、これらについて説明していきます。

ブレスケアを食べる

ブレスケアはいろいろな味が売られており、食べやすいものを選択すればよいでしょう。ドラッグストアだけでなく、スーパーやコンビニでも売られています。

これは非常に稀なケースだと思いますが、ブレスケアを食べるときは、食べ過ぎには注意をしましょう。

私はかつて、臭い消しに必死になり、ブレスケアをパクパク食べていました。すると、食べ過ぎたせいで吐き気が悪化してしまい、最終的にはトイレで嘔吐をしてしまった経験があります。

ブレスケアを食べるときは、ある程度の間隔を空けてから食べるようにしましょう。

味のある飲み物を飲む

味のある飲み物を飲むことで、においを紛らわすこともできます。リンゴジュース、オレンジジュース、お茶など何でもOKです。効果はすぐに現れます。飲みやすい飲み物を飲むようにしましょう。

このとき効果をより高める方法は、ただ飲むのではなく、口の中全体に行き渡らせてから飲み込むことです。その方が口臭の改善効果は大きいです。

そして、この方法は効果の持続時間がそこまで長くありません。私が試したところ、30分くらいしたら再び酒くさくなりました。そのため、少量ずつこまめに摂取するのがよいでしょう。

マスクをする

マスクは臭いが口の外に出ないようにする方法です。この方法が一番簡単にできる口臭対策ではないでしょうか。マスクもコンビニで売られており、種類も豊富です。

私はかつてアルバイト時代に、口臭が問題になって、仕事をさせてもらえなかったことがあります。

その日は激しい二日酔いでしたが、何とか出勤しました。ドラッグストアで働いていましたが、店長から「酒くさいから1時間待機して」と言われてしまいました。

そのときは、ブレスケアを食べて、バイト先でマスクを購入し、1時間後に何とか仕事をする許可をもらいました。

最後に、口臭対策の医薬品を紹介します。ドラッグストアに行けば、口臭対策のための以下のような医薬品も売られています。サクロフィール錠は口臭を除去するための薬です。

このように、口臭が問題になるときは、臭いを隠すためにブレスケアのような臭い消しを食べる、味のついた飲み物を飲む、マスクをする、口臭除去薬を飲むなどが効果的です。

体臭の原因と対策について

アセトアルデヒドなどの物質が呼気に含まれることで、息がくさくなることを説明しました。

しかし、アセトアルデヒドを含む異臭の原因は呼気に含まれるだけではありません。人間の体はわずかですが皮膚でも呼吸をしています。そのため、頭皮、首筋などの皮膚からも臭いが出てしまいます。

夜寝ている間に、人間は多くの汗をかきます。そのなかに、臭いの原因物質も含まれます。

したがって、朝起きてそのまま外出すると、臭いをまとったまま出かけることになります。

そこで効果的なのが、朝シャワーを浴びることです。体に付着している臭いの原因を一度洗い流すことで、ある程度臭いは軽減します。

このときに注意をしないといけないのは、お風呂には入らない方がよい点です。なぜなら、二日酔いのときにお風呂に入ると、心臓に負担がかかり過ぎてしまうためです。

二日酔いの原因物質のアセトアルデヒドは血管を広げる作用があります。アセトアルデヒドが溜まっているときにお風呂に入ると、体が温まることで血管が拡張し、心拍数が上がります。

心拍数が上がると、元々心臓が弱い人には負担がかかってしまいます。また、心臓の動きが不規則と言われている人(医学的には不整脈と呼ぶ)は、心拍数が増えることで、血の塊ができやすくなります。

そして、体臭を隠すために香水を使用している人が時々います。例えば、タバコを吸う人で香水を使用している人が私の周りにはいます。

しかし、個人的には香水を使うのはできれば避けた方がよいと感じます

なぜなら、元々のにおいを完全には隠すことができず、むしろ香水の匂いもプラスされて、余計に不快な気持ちにさせることがあるためです。香水の匂いに敏感な人もいるので、注意が必要です。

二日酔いのときは、尿がくさくなる?

二日酔いのときに小便をすると、異様にくさいと感じたことはないでしょうか。

これには、お酒を飲んだ影響で、体が脱水になっていることが関係しています。お酒に含まれるアルコールには、脳に働きかけて尿の量を増やす作用があります。

お酒を飲むとトイレに行く回数が増える人が多いと思います。私も仕事中は1~2回しかトイレに行きませんが、お酒を飲むと1時間に1回くらい行くようになります。

この作用のため、お酒を飲んだ翌日は体の水分が減っており、脱水になっているのです。そして、脱水の影響は尿にも現れます。脱水になると体の中の水分量が減っているので、尿の量、すなわち尿の水分量は減ります。

そもそも尿は、体の中で不要になったものを体の外に排泄するためのものです。お酒を飲んでも飲まなくても体にとって不要になったものは出てきます。

その結果、不要物の濃度が高くなるので、においがきつく感じるようになるのです

二日酔いのときに、尿中の不要物濃度が高くなっていることを示す例として、二日酔いのときは、尿の色が濃くなっていることが挙げられます。

下に、尿のサンプルの写真を載せています。

引用:月刊Medical Technology別冊 カラーアトラス尿検査

通常時の尿と二日酔いのときの尿を比較すると、二日酔いのときの尿の方が、色が濃いのがわかります。このことからも、二日酔いのときの尿の臭いがきつく感じることがわかると思います。

私の知り合いの泌尿器科の医師に話を聞くと、以下のような話をしてくれました。

「尿がくさい」ということで外来に来る人は多いです。しかし、そもそも尿はくさいものなので、尿がくさいこと自体は問題ではありません。二日酔いの場合は、脱水で尿が濃くなってしまっています。したがって、脱水が改善されれば、臭いは自然と元に戻ります。

あと、アルコールはほとんどが肝臓で分解されます。尿の中に排出される量はほとんどないので、尿からアルコールの臭いがすることはないでしょう。

このようにお酒を飲んだ翌日に尿の臭いがきつく感じるのは、臭いの原因の物質の濃度が高くなるためです。その原因はアルコールによる脱水なので、脱水が改善されれば自然とよくなるので、心配をする必要はありません。

お酒を飲んだ次の日はおなら(屁)や大便がくさい

お酒を飲んだ次の日に、おならの臭いが異常にくさかった経験はないでしょうか。

このような話を周りの人とすることはほとんどないと思いますが、実際にお酒をよく飲む人に話を聞くと、みな同じような経験をしていると言っていました。

この現象は、食べた物による影響が大きいと言われています。特に、タンパク質脂肪分を多く摂取すると、便が臭うようになります。

腸内細菌がタンパク質を分解すると、臭いの原因物質ができます。この物質がおならや便に含まれることで、異臭を感じるようになるのです。

例えば、焼き肉を食べた翌日に便がくさいと感じることがあると思います。これは、肉にはタンパク質が多く含まれていることが影響しています。

また、便に含まれる脂肪分が増えると、臭いがきつくなることが知られています。

脂肪分は、肝臓で作られる胆汁によって分解されます。そして、お酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解を始めます。

アルコールの分解が始まると、アルコール分解が優先され、胆汁の生成量が減ります。その結果、脂肪分が分解されにくくなってしまいます。いわゆる消化不良と呼ばれる状態になるのです。

このように、お酒を飲むと便に含まれる脂肪分が増えやすくなり、便の臭いがくさくなるのです。

私の知り合いの、胃や腸を専門に診ている外科の医師に話を聞くと、以下のような話をしてくれました。

普段から肉を多く食べている人の便は、確かにくさいことが多い。逆に、ベジタリアンと呼ばれる野菜を多く食べている人の便はあまりにおわない。

おならや便の臭いは、食べた物の影響を大きく受けることがわかります。

この臭いを予防するためには、さきほどの医師の話のように、野菜を積極的に食べる必要があります。

これができれば問題ありませんが、実際はなかなか難しいです。しかし、私もお酒を飲むときは、どうしても肉中心になってしまい、野菜はほとんど食べないです。

便やおならの臭いがくさいのは、基本的にはお酒を飲んだ翌日だけです。ほかにも、お酒を飲んだ翌日は消化不良になりやすいので、下痢にもなりやすいです。

このようにお酒を飲んだ翌日は便の状態や、臭いが普段と違うことは珍しくありません。しかし、いずれも自然と改善するので、特別な対応をする必要はないでしょう

まとめ

ここでは、二日酔いのときに感じる口臭、体臭などの原因と、その対策方法について説明してきました。

口臭と体臭の主な原因はアルコールが分解されてできるアセトアルデヒドです。そして、ほかにも複数の物質が臭いに関わっています。

これらの臭いを改善するためには、ブレスケアを食べる、味のある飲み物を飲む、マスクをする、朝シャワーを浴びるが効果的な対策です。臭いの消し方はいろいろあるので、できることを試すようにするとよいでしょう。

また、二日酔いのときに尿が普段よりもにおうことがあります。これは体が脱水状態であることが影響しているので、脱水を改善するだけで自然と臭いは元に戻ります。

そして、便やおならの臭いが普段よりもきつくなることもあります。これは食べた物による影響が大きいです。この臭いも自然と改善するので、特別な心配をする必要はありません。

臭いは周囲の人を簡単に不快な気持ちにさせます。もし二日酔いになってしまったら、適切に対処して、周囲の人に少しでも迷惑をかけないようにしなければなりません。

もちろん、完全ににおいを消す飲み物や食べ物は存在しません。そして、酒臭くならない酒も存在しません。二日酔いを予防して、口臭予防、体臭予防に努めるようにしましょう。